Going further

旅行や仕事で遠出する時は、できるだけ身軽に移動したい。

僕は価値の無いことに対して「待つこと」が好きじゃない。例えば、旅先の空港に着いて、カートから荷物がガタゴトと出てくるまでのあの時間。その上、ガタゴトと動き出してから、もう結構な時間が経つというのに、自分のスーツケースが未だ影も形も見えないあの無駄な時間。そして、あろうことか、待ち続けた1時間後なんかに、手違いでとんでも無い国の聞いたことも無い街に運ばれてしまいました、という、残酷極まりない死刑通告も受けたことがある。もちろん、航空会社は、スーツケースの中身を代わりに買い与えてくれたりしないし、あってせいぜい、片道分に及びもしないマイレージや(二度と使うかこのハゲ)、提携ホテルの宿泊券とミールクーポン。長旅で早々に着替えてしまいたくても、代わりの服は無く、では空港のLANスポットで買い物のための調べ物をしたくてもPCは無く、航空会社の係員に怒り狂ってみても、日常茶飯事のためか、べつだん、あちらさんは仕事以上の誠意すらも無いのだ。

「服を着替えたいのだけど」
「トイレはあちらの先にございます」
「や、だから、スーツケースに入ってるんだけど」
「明後日にはお送り致します、サー。」
「や、だから気持ち悪いから今着替えたいの」
「空港からこの駅に向かいますとショッピングモールがございますが」
「・・・。」

行き先が極寒のヨーロッパや、長い旅程ならば大きなスーツケースの移動は致し方ないけれど、この事件があってから、僕は遠出する時の価値観が大きく変わり、先ずやったのは、手荷物として持ち込み可のミニスーツケースを購入したことだった。二度と荷物なんて預けてたまるかと。

すると今度は、機内手荷物にはいろんな制限が出てくるわけで、まあ、「ライターは1人1つまで」とかなら、そりゃまあわかるが、ジェル状の整髪料や、エチケットシザーや、お土産で買ったアロマオイルですらばんばん撥ねられる。ハイジャック防止や、引火性の何らかの持ち込みの禁止は、航空会社として責務ではあろうが、いったいどこの世界に鼻毛カッターでハイジャックを企むタリバンがいるというのか。

チェンマイで雑貨の卸しをやっていた2年前の頃には、寝過してTシャツとスウェット、持ち物は財布とパスポート、スマホという、コンビニでも行くのかという格好でタクシーに文字通り飛び乗り、すんでのところで成田から飛んだが、さすがに周囲からの視線が痛かった。機内では「あら、寝巻きなんて準備がいいのね」くらいで、どうでもよくなっていたものの。

つまり、東南アジアなんかでは、着いてからはとりあえず屋台とスーパーで大体のものが揃うわけで、まあ、気合い入れてリゾートや高級街なんぞでいい服着てコード有のレストランなんかに行くので無ければ、どうにでもなるっつー話ですよ。んなブルジョアな海外行きなんぞ俺には一生関係ねー(笑)

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