Unforgettable

彼女が亡くなって、もう100日を数えようとする頃には、暦の上ではすでに彼女は仏様になっていて、周りにいた人々は、悲しみに暮れていた日々から、否応なく日常に還っている。

法事で故郷に戻っていた。小さな親孝行で、やや季節よりも早い富良野を訪れる。

花が好きだった彼女は、棺から溢れるほどの花と共に送られて行って、それからの僕の生活は、四十九日を数えてからも、仏花では無い何かしらの花が、毎日、毎日、出窓に飾られることになった。特に意味は無い。そうするのがふさわしい、と、僕は思っているし、彼女を忘れない限り、そうするだろう。

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