僕にしては珍しく、恵比寿まで鋤田正義さんの写真展に足を伸ばした。
鋤田さんと言えば、日本人ならば、ほとんどがDavid Bowieの”Heroes”のジャケ写を思い浮かべるだろうと思うのだけど(次点がマークボランでは無かろうか)、昔の人では決してなくて、今だって現役バリバリの方である。最近ではムービーカメラマンとして(AKB48のPVも撮ってるくらい)のほうが有名かもしれないけれど。
300点に及ぶ作品群は、写真展というより、すでに博物館の域に達する。長いロールスクリーンに写真という写真を、どでかい大きさで転写しまくりである。さすが中判。
どんだけミュージシャン撮っとんねん、と、圧倒されるかもしれないけれど、僕が見てて非常に楽しかったのは、風景写真。空気を感じられる絵とモノクロネガの魅惑的な粒子の立ち上がり。僕は最近、光と影ばかり追ってしまう。
鋤田さんは、町に出る時、デジカメを持って歩いてもモードはほぼモノクロだそうだ。
何でも撮れるその準備をしておくことが大切だと思った時期もあったけど、実はそうじゃなかった。自分が撮りたい写真への準備が万端ならばそれでいい。
鋤田正義展 ”SOUND&VISION ”
2012年8月11日(土)~9月30日(日)
http://syabi.com/contents/exhibition/index-1651.html